プロフィール

 

1955年広島市生まれ。高校時代の終わり頃よりジャズベーシストを志し大学受験を拒否。高校卒業後、広島交響楽団の田頭徳治氏に師事しクラシックコントラバス奏法を習い始め、その年の秋に上京してNHK交響楽団の野口武士氏に師事する。より広範囲に音楽の基礎を学ぶために芸大受験を決意し江口朝彦氏に師事し、1975年に東京芸術大学音楽学部器楽科(コントラバス専攻)に入学。

 

 在学中より明田川荘之(piano)トリオのメンバーとしてジャズ・クラブに出演するようになる。1980年、坂田明(sax)トリオに参加、翌年には同グループでヨーロッパ・ツアーをおこなう。以後、富樫雅彦(percussion)トリオ、加古隆(piano)トリオ、山下洋輔(piano)パンジャ・・スウィング・オーケストラ、板橋文夫(piano)トリオ、塩谷哲(piano)トリオ、など数多くのグループに参加する。

 

 ジャズ・フィールドのみならず、現代音楽の分野での活動も活発で、高橋悠治(piano、composer)、三宅榛名(piano、composer)、吉原すみれ(percussion)等ともしばしば共演、1985年には、故・武満徹プロデュースの" MUSIC TODAY "に出演、さらには1989年、1993年、1995年と三度にわたって「八ヶ岳高原音楽祭」に参加、2006年の東京オペラシティでの武満徹トリビュート・コンサート"SOUL TAKEMITSU"にも出演した。また2009年には間宮芳生書き下ろしの新作オペラ「ポポイ(倉橋由美子:原作)」(静岡音楽館AOI)、2011年には「間宮芳生の仕事」コンサート(TOKYO Cantato 2011)にも出演する。

 

 1991年よりは、日本の先住民族であるアイヌのアトゥイ氏率いるアイヌ詞曲舞踊団『モシリ』の一員として、コンサートやCD作品に出演する。また、海外での公演も活発で『坂田明・微塵子空艇楽団』の中央アジア・ツアー(1994年)、『Asian Fantasy Orchestra』の東南アジア公演(1995年)、『金子飛鳥ユニット』のパリ公演(2000年、2001年、2002年)、『一噌幸弘グループ』のパリ公演(2002年)、『塩谷哲トリオ』のパリ公演(2003年)、中東・ギリシャ公演(2004年)、『金子飛鳥ユニット』の北アフリカ公演(2005年)などに参加する。

 

 音楽以外のジャンルのアーティストとのコラボレーションも盛んで、愛知芸術文化センター主催の" 舟の丘、水の舞台 "(1996年)での委嘱作品の発表、天児牛大演出による加古隆の" 色を重ねて "(1997年〜)への出演、ニューヨーク在住の振り付け師・中馬芳子が主宰する『Unfinished Symphony』のアメリカ、東ヨーロッパ公演への参加などがある。この時のニューヨーク公演では「1999 Bessie Award・作曲家賞」を受賞している。(金子飛鳥と共同受賞)

 

 現在は、ベース・ソロと『彼岸の此岸』(太田恵資violin,鬼怒無月guitar,吉見征樹tabla)、『環太平洋トリオNEO(津嘉山梢piano, 大村 亘drums & tabla)を活動の中心にしながら、大ベテランの渋谷毅pianoや中牟礼貞則guitarとのデュオも季節ごとに行なっている。さらには、『マイク レズニコフ  Jazz Quartet』、元スクエアのピアニスト和泉宏隆の『The Water Colors Trio』、ウード奏者・常味裕司の『アラブ音楽アンサンブルFarha』、ヴォーカルの大貫妙子のピュアアコースティックにも参加している。  

 また、2003年からは西荻窪・コニッツを会場に、作家の山田詠美、奥泉光との " 朗読と音楽 " のライヴをスタート(太田恵資violin,小山彰太drums)。この密かに行われている異色のセッション(現在では下北沢レディージェーンで)は、毎回熱心なファンの待望するところとなっている。 

 

リーダー作品に「泣いたら湖/吉野弘志・モンゴロイダーズ」(林栄一sax,加藤崇之guitar,小山彰太drums 2002年/ohrai)と、ベース・ソロアルバム「on Bass」(2004年/ rinsen music)、「吉野弘志 彼岸の此岸/Feeling the Other Side」

(2013年/AKETAS DISK)がある。